第8回

ゴールデンウイーク明けの七、八、九日に、
一年生総勢150人の移動教室が行われた。
初日はサンクチュアリジャパンの人を講師に招いて、
アカウミガメの産卵地やコアジサシの生息地を見学した。
学校から百メートルも行ったら、小さな砂丘のような海岸に出る。
四輪車の乗り入れを禁止してから、海岸線の自然が回復してきた。
二日目は飯ごう炊飯でカレーづくり。
日ごろ飽きっぽい子が、一時間も火の番をしていたり、
男女が協力する班ほど作業が早くてスムーズだったりと、
日頃、目にすることの無い光景を見ることができた。
子供達と僕は、お互い一か月の付き合いで、
まだわかってない部分が多い。
子供同士は小学校から六年以上も一緒にいて、気心が知れてる。
その中にちょっとずつ入っていかなきゃ、と僕は思っている。
全部で二十四班。いろんな子どもたちが「先生、食べて。」と、
ニンジンが堅いままだったり、「こしょうがドバーッと入っちゃった」
というのだったりと、ありとあらゆるカレーを持ってきてくれた。
最終日は、ウオークラリー形式で町内の史跡を探索した。
東海道の宿場町として有名なわが町のはずれにある松並木で、
僕はチェック係を務めた。
誰が来たのか解らないので、その都度、会話をして確認し、
スタンプを押した。
この三日間、子どもたちは教室の中と違って広い範囲で行動した。
子どもたちの生き生きとしている場面を見られてよかったし、
おもしろかったが、僕自身が生徒を支援しにくい場ではあった。
僕が見えなかっただけで、火を使ったりする中で、
危ないことをした生徒がいたかもしれないのだ。
来年は林間学校があるし、再来年は修学旅行だ。
僕に何ができるか考え直さなきゃいけない。
一緒にいるだけでなく、「見えないのに見守る」ということの意味を、
考え直さなきゃいけない。

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