第16回
夏休みをみんなはどんなふうに過ごしているのかな?
僕は中学生時代、夏休みは部活(水泳部)しかしてなかった。
お盆のころの二、三日を除いて毎日だった。
「タイムを縮めたい!」それだけだった。
僕は小学生のとき、地区大会の50メートル背泳で優勝していた。
ところが、中学一年の夏の地区大会で隣の中学の一年生に負けた。
小学校のときからのライバルだったが、ショックだった。
「秋の新人戦には勝とう!!」が夏休みの目標になった。
一生懸命練習した。ほかのことを全然覚えてないくらい、
がんばって部活をやっていた。
二年生の春に腕を骨折した。
一学期中、泳ぎ込みができなかったので、
夏の大会の成績はふるわなかった。だから、夏休みには、
秋の大会を目指して猛練習を始めた。タイムは伸びた。
「骨折しなければもっと伸びていたかもしれない」と思うと悔しかった。
秋の大会は出場すれば二位以上は確実だったのだが、大会直前に、
飛び込みの練習中に失敗して頭がい骨にひびが入った。
むなしく家で寝ていたのを覚えている。
そして三年生。「県大会の決勝に残る」という夢をついに果たした。
今は時代が違って、夏休みの練習は当時の半分以下になっている。
僕たちのころは先生にやらされる面が強かったが、
今はほとんどが生徒自身の判断にゆだねられている。
今の子どもたちが一生懸命やるのは、
先生にやらされていた僕たちの時代よりずっと難しいかもしれない。
部活だけじゃない。宿題にしても、僕たちのころより少なくなっている。
「だからこそ、君たちは考えなきゃならないんだよ」と、
僕は生徒たちに言っている。
やらされることに枠はあるが、自主勉強に際限はない。
生きてる以上、勉強だ。そう言っている。
教育は学校だけでするものじゃない。
部活も宿題も少ない分、家庭や地域の中で、
思い切り何かに夢中になって、大きく成長してほしいなあ、と、
思っている。