第39回

去年末のアジア大会の後、同じタイ・バンコクで
「フェスピック」という障害者の競技会が十日開幕した。
「Far East South Pacific(極東南太平洋)」の頭文字を取って
「FESPic」。
今月初旬、出場する友人が成田空港から電話をくれた。
「いま成田なんだ。これから出発するよ。」と言われて、
実は僕はピンとこなかった。自分が選手に選ばれていないと、
こうも遠くなってしまうんだなあ、と感じた。
フェスピックには、国際大会に何度も出ている選手が
選ばれることはない。
多くの選手に国際交流、人間交流の機会を与えようという考えで、
障害者スポーツ協会は、
この大会を、国際大会登竜門と位置づけている。
いいとか悪いとかはわからないが、
長野オリンピックと長野パラリンピックの温度差以上の差が、
アジア大会とフェスピックの間にはあるなあ、と、
自分の意識もふくめて感じた。
最近、うちの中学生が近くの駅で、視覚障害者が待ち合わせの
場所まで案内し、相手がくるまで一緒に話しをして付き合った、
ということがあった。
その人から「感謝しています」と学校に連絡があってわかった。
障害者と普通に接することができる子が出てきた。
人の立場になって考える心が芽生えてきた。
僕は子どもたちに話をする。
携帯電話のアンテナがボタン一つで伸びるのがあるんだよ。
(実物を見せる)ミーハーと思うかい?片手がなかったらどうする?
僕の友達は使っているよ。それにね、高校時代に
ジュースだと思って飲んだら、ビールだったことがあったよ。
今は、缶に点字が書いてあるからちゃんとビールを選べるよ。
「なるほどなあ。そういうところが大変なんだ」と、感じてくれれば
うれしい。

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