第4回
水泳のシドニー・パラリンピック代表候補十六人を含め、
強化指定選手約三十人などを集めた合宿が、仙台で開かれた。
日程は金曜から日曜までの二泊三日。
代表候補である僕は、金曜の勤務を終えたその足で合宿入りた。
大まかな内容は、午前中が記録会、午後は各自の泳ぎこみ、夜は栄養学の講義。
普段、会えない選手たちとお互いのコンディションを語り合ったりと、
なかなか有意義だった。
学校(静岡県舞阪町舞阪中)で水泳部を指導しているときは、
どこかで「先生であらねばならぬ・・」と思い、生徒たちが苦しそうだと、
「励まさなくちゃ」と感じるが、合宿ではそんなことがない。
合宿でいちばんのメリットは、自分の泳ぎについて詳しいデータを採ることだろう。
ターンに何秒かかるか?、五十メートルを泳ぐのに何回ストロークしているか?、
筋力はどの程度アップしているのか?。 こうした数値を細かく集めることで、
自分の力を客観的に見つめることができる。
僕の場合、去年十二月の合宿のときより、スピードも筋力も上向きで
「まだまだできるな。順調、順調」と、シドニーへの確かな手ごたえを感じ取れた。
合宿での結果はそれまで積み重ねた練習の結晶だ。
この四ヶ月間、特に二月から三月にかけては学校が忙しく、
自分のために泳ぐ時間はほとんどなかった。
そんな状況で僕の力はどうして上がったのかな。
ひとつは短時間でも集中して泳ぐよう、これまで以上に心がけたから。
やりくりして作った時間を大切にして、密度の濃い練習ができたのかもしれない。
もうひとつは、水泳部の生徒がすぐそばにいたから。
生徒たちががんばっている姿は、僕を励ましてくれる。
早くなりたいという、同じ目標をもちながら、同じプールに練習相手がいるのは、
何と心強いのだろう。
さあ、みんないっしょにがんばろう。