第12回

シドニー・パラリンピックの日本水泳選手団は、選手十七人、役員七人の計二十四人。
前回のアトランタ大会は九人、その前のバルセロナは十二人だった。
シドニーは過去最大規模の編成で、チームとしての意識がより必要になってくる。
前の二つの大会で僕はチームの一員として、自分のタイムを上げるのに集中すればよかった。
今回は違う。
年齢的に中堅どころにさしかかっているし、バルセロナとアトランタの経験を、
ほかの人に残さなきゃいけない義務もある。
自分でも変わらなきゃいけないと思うし、実際、どこかの大会に出た選手に「どうだった?」と
連絡を取ったりして、ほかの人を気にかけるようになった。
今回、日本水泳陣は初めてリレーに出場する。
僕の男子ブラインドチームのほか、肢体不自由の男女も出る。
リレーには速い人を四人集めればいいのだけれど、優勝するためには
一人一人の泳ぎを向上させることが絶対条件だ。
いくら自分が伸びても、ほかの人も伸びないと勝てない。
また、一人が伸びると、ほかのメンバーもタイム上げなきゃと頑張る、チームとしての相乗効果もある。
メンバーそれぞれ、理想とするチーム像は違うかもしれないが、僕はみんなで
和気あいあいとした雰囲気をつくりたいタイプ。
「苦しいけど頑張ろう」と励まし合える仲間でありたい。
毎月一回集まって合宿をしているが、とてもいいことだ。
練習の苦しさを一緒に乗り越えていく中で、チームが一つになる流れのようなものができる気がする。
苦しくないことに本当の楽しさはないと僕は思っているんだ。
選手団のメンバーは静かな感じの人が多くて、僕は盛り上げ役かな。
十七人で、チームJAPANの新しい伝統がスタートできたらいいと思っている。

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