第13回

夏休みに入って間もなく、水泳のシドニー・パラリンピック日本代表選手による
三泊四日の強化合宿が大阪で開かれた。
合宿は八、九月にも一回ずつ予定されている。
一言であらわせば、合宿は「天国と地獄」。一日一万メートルを泳ぐのは決して楽なことではない。
練習するための生活というのは、まさに地獄だ。
これが毎日だと嫌になってしまうかもしれない。
しかし、練習が終わったら、好きな物を食べて寝る。
休養を十分確保できるし、体を鍛えることもできる。
家では、疲れて帰ってきても、メールのチェックだとか、やらなきゃならないことが出てくるし、
気をつかうことも多いから、それと比べれば天国だろう。
毎朝七時に起床。朝食後、大阪府内の宿舎を出発して、プールに向かう。
場所は、神戸市のはずれにある海上自衛隊阪神基地の中のプールだ。
九時から十一時半まで練習し、宿舎に戻って昼食をとったら、一時間ほど寝る。
午後の練習は二時間。夜は一時間半の講義が待っている。
内容は、栄養のとり方や練習中の栄養補給から、メンタルトレーニングやドーピングテストについてまで、
さまざまだ。
一日一回のマッサージとジャグジーのお風呂が気持ちよかった。
合宿の楽しさは、何といっても、日頃会えない選手と顔を合わせ、話ができること。
今回は、ユニホームのための採寸や水着の試着もした。
「あー、このジャージを着て、このメンバーで、シドニーに行くんだなあ」と思い描くと、感慨深かった。

僕はチームの盛り立て役。ブラインドチームのリレーの練習で、
「アンカーがゴールしたら、電光掲示板の方を向いてガッツポーズをしよう」と提案した。
もちろん、掲示板は見えないんだけれど。
これは盛り上がった。疲れているときこそ、さわいで楽しまないとね。
本番でも、できるといいな!!

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