第15回

僕が副顧問をつとめる水泳部が先日、東海大会を終えた。
三年生はこれで引退する。
僕が教員生活を始めたのと同時に入学してきた生徒たちだ。
男子三人、女子八人。
仮入部の頃からこのメンバーで、二年半を過ごした。
ふり返れば、さまざまな思いが頭をよぎる。
まず、体が大きくなったなあということ。入ってきた当時、脇を抱えてみたら、
ひょいと持ち上がるくらい小さかった男の子も、今ではがっちりとした体になり、
部長としてみんなを引っ張っていくまでに成長した。
みんな、いつも明るかった。練習は苦しいのに、必ず笑顔がある。
これが一つの活力になったのかな。
補欠を含めて、ほとんどの選手が県大会にまで行ったし、それぞれ最後のレースで、
一番いい記録を出して終わることができた。
昔と比べて百メートルのタイムを二十秒以上も縮めた子もいた。
僕にとっては、教師と生徒という間柄をこえて、一緒にやってきた「仲間」。
練習がキツイと文句をいわれたこともあるし、うまくコミュニケーションがとれず、
ささいなもめごとだってあった。
でも、長く一緒にいた分、ちょっとずつ、さりげない心遣いなども出てきたね。
たとえば、大会で出たお弁当の中に何が入っているよ、と教えてくれたり。
本当に彼らには楽しませてもらったなあ。

この二年半、苦しくても続けたということは、自信につながると思う。
よく「自分には才能がない」と嘆く人がいるが、続けること自体、立派な才能なんじゃないかな。
簡単なことでも365日続けるのは大変だよね。
そして、それができた子は、受験にも真剣に取り組めるはず。
新たなスタートを切る生徒たち。
まだまだ、僕がしてやれたこともあるんじゃないか?と思う。
明日から彼らは来ない、なんて信じられない。

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