第21回

シドニー・パラリンピックまであと10日

日本をたつ前日の十二日、シドニー・パラリンピック日本代表選手団の結団式が東京で開かれる。
僕は選手団の主将だから、みんなの前であいさつをすることになるだろう。
選手たちには、これまで二回の出場経験を生かしてアドバイスをしようと思う。
四年に一度しかないこの大会。開幕直前のこの時期、慎重さが必要だ。
いつもは二段飛ばしで駆け上がる階段も、一段一段踏みしめて上る、というようにね。
選手の多くは仕事を持っているから大変だと思うけれど、焦らず、集中して、
自分自身を高めていくようにしてほしい。
記録やメダルなど、目標はそれぞれあるだろうが、シドニーという最高の舞台で、
よいパフォーマンスをしたい、という思いは同じはず。
今回の選手団は、日本としては史上最大。それに、かつてないほどの強さだから、
今まで以上の結果が得られるのも必至だ。
みんなでまとまり、協力していい結果を残そうと呼びかけたい。そして、
つながりのある競技はもちろん、 異なる競技間でも、
これをきっかけに新しい関係が生まれてくれればうれしいな。
僕自身は、自然体でいこうと思う。
オリンピックが始まったころから、生徒たちからも「先生はいつ行くの?」「がんばってね!」という
言葉が出てくるようになってきた。こういうとき、教師をしていてよかったなあと実感する。
シドニーに向かう直前、僕は生徒たちに何を話すだろう?。
ありきたりなことしか言えないかもしれないな。
でも、三週間学校を休んで試合に臨むからには、レースに集中し、全力で泳いでくるつもりだ。
生徒たちには「あきらめないで泳ぎ切る」と、約束したい。
だから、みんなも自分の目標に向かってがんばってほしい、と。

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