第25回

シドニーから戻ってすぐ、全校生徒の前で結果報告をした。
朝礼のとき、壇上に上がりメダルを見せたんだ。
この時は、わりあい淡々とした反応だったけれど、教室で見せたときは盛り上がったよ。
「メダル触らせて」「私も」「僕も」と、話をするどころではないくらいの騒ぎになってしまった。
順番に回してみんなが味わえるようにしたけれど、本物を手にして間近で見ると、
伝わる度合いも違うのかもしれない。
しかし、シドニーの余韻に浸っている間もなく、僕を待っていたのは仕事の山だった。
先月は学校の研究発表会、合唱コンクールと、大きなイベントが目白押しだったからだ。
これらの準備に追われ、一気に「普通」の状態に戻ってしまった感じだ。
先日行われた研究発表会では、ほかの学校の先生たちに授業を公開した。
僕の担当は二年生の選択社会科。
自分たちの暮らす町の基幹産業について、子どもたち自身が調べたことを資料にまとめ、
表はグラフを使って発表した。
テーマは「浜名湖のカキの養殖」「シラス漁」「遠州灘」「弁天島の観光」
「スッポンの養殖」などさまざま。
町内のことを調べるために、カメラやビデオを持って取材に出かけ、スッポンをさわったり、
カキのむき方を教えてもらったり、料理のようすをおさめたりと、
なかなかのがんばりを見せていた。
僕がいない間は、一緒に組んでいた先生がご苦労されたと思う。
このような実体験に基づく調査活動は、一学期から始めていたけれど、
僕がシドニーに行っていた十月中も、子どもたちが一生懸命取り組んでいた、という事が分かって、
うれしかった。
メダルといい、研究調査といい、やはり実際に「体験する」ということは、
みんなにとって大切なことなんだよね。

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