第33回
僕の勤めている舞阪中は明日が卒業式だ。
教員三年生の僕にとって、今年の卒業生は一緒に入学した子どもたちだから感慨深い。
みんなの学校でも「卒業生を送る会」を開くと思うけれど、
舞阪中では毎年手作りの会を開くのが伝統だ。
手間も時間もかかるが、その分とても盛り上がる。
僕たち教職員は合唱をする。曲はユーミンの「卒業写真」。
先生方ならだれでもわかりそうないい 曲として、僕が選んだ。
一年生の出し物は劇で、僕の受け持つ二年生はスライドショー。
スライドショーは、思い出の写真を次々とスクリーンに映し出していく。
パソコンのソフトを利用して作るのだけれど、シナリオを書くのも、BGMやコメントを考えるのも
子どもたちだ。
先輩として厳しい面もあっただろうけれど、お世話になった卒業生に感謝の気持ちを表す、ということは
とても大切だ。
送り出される三年生は、去年は自分たちが送 り出す側だった。
去年の経験があるから、在校生の気持ちは十分に伝わるんじゃないかな。
三年間はあっという間だ。いや、長かったと思う人もいるかもしれない。
どちらにしても、今後生きていく上で、この三年間があったからこそ
今の自分がいるんだ、と振り返ることができるような一人一人でいてほしい。
だらだら過ごした人だって、そのことで今の自分があるんだ、と受け入れられれば、
それでいいんじゃないかな。
僕が教育実習をしたときの教え子は今、高校三年生。
進路が決まったと報告に来てくれる子もいる。教師にとってこれほどうれしいことはない。
中学校に戻ってくれば思い出がある、安心感もある。
いつでも戻れる場所があるということは素晴らしいよね。
みんなにとって、いつまでも中学がそういう場所であったらいいなと願っている。