第3回

本日、わが舞阪中学校(静岡)に、私の後輩でもあり、
共に社会の勉強をする仲間が入学してきた。
百五十人の豊な個性たちである。これからの三年間が、
彼らにとって幸多かれと祈らずにはいられない。
勤務も四日目となると、体のリズムは学生から社会人へと移行しつつ
あったが、生徒たちに会ってはいなかったので、教師という実感を味わ
えずにいた。
そして今日から、校内に子どもたちの声が響きわたり始めた。
まるで、夏のあいだ使うことのなかった暖炉に久しぶりに火を入れた
ような感じがした。
しかし、私と子どもたちとが話すチャンスなど、ほんとんどなかった。
入学式の中で壇上からみんなを見ることしかできなかった。
新入生が緊張しているなあ、とだけ感じた。
どんな表情なのだろうと、壇上で紹介されながら考えていた。
また同時に、五百人ほどの視線とマスコミのカメラがこちらを向いている
というプレッシャーも感じていた。
入学式が終わり、各クラスで担任からの話があった。
私も副担任として一年四組へと向かった。
ここで初めて生徒たちに自分の言葉で語りかけることができた。
だが私は、三十八人もの生徒と一対一の関係を築くことはできなかった。
あどけなさが残る彼らと、この一年間を楽しく過ごせるように、
まずは興味の持てる授業づくりに全力を注ぐ決意である。
近日中には、教師としての一回目の授業が予定されているが、
教育実習の時ほど緊張感はない。
それは、二週間しかなく、この期間で何らかの結果を出さなければという
焦りがないからかもしれない。
担当するのは一年生なので、今回は人間関係を焦らずじっくりと育てて
いきたい。
きっと少しずつ私のことを分かってもらえるはずだと信じている。

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